2020/01/31

前回は、イベントの企画ポイントについてお話しました。企画ができたら、当日に向けて準備をスタートします。特に、どんなイベントでも初めて開催する際は、余裕を持って進めたいところ。
今回は、イベント運営のプロが、イベント全般において押さえておきたい準備のポイントをご紹介します。
目
次
- イベント運営で重要な3つのポイント
- -【1】準備の精度でイベントの成否が決まる
- -【2】「属人化」は危険!
- -【3】“トラブルは必ず起こり得るもの”と心得る
- イベント開催に向けて必要な準備
- -【1】開催日までのスケジュールを立てる
- -【2】当日の人員割り振り
- -【3】運営マニュアルの作成
- -【4】会場の下見(選定・レイアウト)
- -【5】機材・備品の手配
- 完全版!イベント当日の運営に役立つマニュアル
イベント運営で重要な3つのポイント

イベントの準備についてお話をする前に、まずはイベントを運営する上で押さえておきたいポイントを3つご紹介します。
【1】準備の精度でイベントの成否が決まる
イベント直前になって“あれが無い”とか“これも欲しい”と足らないものが出てきて慌てないよう、準備は周到であることに越したことはありません。そのために、まず始めに当日の流れをできるだけ細かくシミュレーションし、何を準備すべきか洗い出すことがおすすめ。
また、スケジュールについても余裕を持って進めると、ミスや不手際が起こりにくくなります。
【2】「属人化」は危険!
イベント運営を効率的にするために、多くの場合は各部門に責任者を配置して部門ごとに動きますが、その際気をつけたいのが「属人化」してしまうこと。
準備も当日の運営も一部の人しか知らないことが多いと、不明点があってもその人の不在時などは中断することになり、せっかく役割分担をしていても効率的に進みません。
また、各自が責任者に逐一確認したり指示を仰いだりすると、現場は混乱することに……。こうならないためにも、誰もが自身の担当箇所のことを把握できている状況にしておくことが大切です。
【3】“トラブルは必ず起こり得るもの”と心得る
いくら当日の流れをシミュレーションしていても、残念ながら想定外のことが起きるなど、トラブルの可能性がゼロにはなりません。なので、“トラブルは起こり得るもの”とあらかじめ心の準備をしておくと、いざという時に冷静な対処ができることでしょう。
イベント開催に向けて必要な準備

ここからは、イベントの準備についてお話していきます。どのイベントにも共通するポイントをご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
【1】開催日までのスケジュールを立てる
余裕を持って準備するために、イベント当日から逆算してスケジューリングしましょう。特に、初めて担当する際はスケジュール感が掴めず、気づいた時には間に合わない……といったことにもなり得ますので、過去の資料があれば参考にしたり情報収集をしたりするとよいでしょう。
また、グッズ制作などを依頼する場合は、事前に納期を調べておくと安心です。
【2】当日の人員割り振り
当日の「運営スタッフ」を割り振りします。ステージで催しをする場合は、ステージ周りの「進行スタッフ」も割り振りしておきましょう。
◯運営
運営は、イベント会場やバックヤード、会場周辺などステージ以外のすべてを担当します。具体的には、来客を最寄り駅や駐車場などの会場外から受付まで送る「誘導」・「受付」、そこから会場への「案内」、ゲストや登壇者の接待やサポートをする「接遇」、機材などの管理を担当する「設備」などがあります。
◯進行
進行は、ステージ上の催しを担当します。具体的には、ステージで行われるプログラムの責任者である「ディレクター」や、音響や照明などの機材を操作する「テクニカル」、ゲストや登壇者をステージまで誘導する「引き回し」などがあります。
【3】運営マニュアルの作成
イベント運営はマニュアルを作成しておくと、責任者の指示が無くともスタッフ各自が適切に動くことができるので効率的。イベントの規模が多ければ大きいほど細かなマニュアルがあると便利でしょう。次の章で具体例をご紹介します。
【4】会場の下見(選定・レイアウト)
イベント会場の下見は、複数回行うことが多いです。まずは会場の選定時。インターネットやパンフレットなどで見るだけでなく、実際の会場を見たほうが詳細まで把握できます。
会場が決まったら、再度下見をして当日の導線確認・移動経路の計画、設備配置の検討、オペレーション・サインを計画しておきましょう。チェック項目は下記3つです。
○導線
最寄り駅から会場までのアクセス、出入り口からバックヤードの移動ルートなどをチェックしておきます。これにより、イベント当日にスタッフも来客もスムーズに動ける導線が考えやすくなります。
○間取り
端から会場全体を見渡すだけでなく、実際に歩き回ってステージや掲示物が見えない「見切り席」がないかをチェックしましょう。見切り席があった場合、そこは客席として使わないよう気をつけます。とはいえ、下見の際は空席ですので、満席時の状況もイメージしながら確認するのがポイント。
○備品
ステージや客席の備品に加えて、楽屋でもゲストや登壇者に必要な備品がそろっているかをチェックします。足りない場合は準備リストへ。
また、雨天に備えて傘立てや傘袋の有無の確認もしておくとよいでしょう。
【5】機材・備品の手配
イベント当日に使う機材・備品を手配します。ゲストを招待する場合は、控室周りの備品の手配もお忘れなく。
○受付・誘導用
パンフレットなどの配布物、看板、モバイルプリンター・ラミネーター(現場で必要になった掲示物を出力するため)、筆記用具・メモ帳(付箋・クリップ・輪ゴムもあると便利)、テープ類、空き箱(名刺受けなどに活用できる)など。
○ステージ周り
小型ホワイトボード・スケッチブックなど(ステージ上への連絡事項を示す用)、プロジェクター・投影用スクリーン、マイク・マイクスタンド、スピーカー、椅子とテーブル、演台・大型ホワイトボードなど。
○ゲスト・登壇者・スタッフ用
飲み物、弁当、軽食・お菓子、ハンガー、姿見、空気清浄機、駐車場、旅券(遠隔地からくる場合)など。
この他、「養生テープ」・「ガムテープ」・「ハサミ」・「カッター」・「ポリプロピレンテープ」などは、設営時はもちろん、受付周りなどイベント開催中にも何かと使うことがありますので、用意しておくと良いでしょう。
完全版!イベント当日の運営に役立つマニュアル

前の章でも触れたように、イベント運営ではスタッフ各自が指示を仰がなくとも適切に動けるよう、運営マニュアルを作成することが重要です。
ここでは、用意しておきたいマニュアル一覧をご紹介します。
1.当日運営関連
運営組織図 | 運営に携わるセクションや、責任者の関係を一覧できる図 |
---|---|
全体タイムスケジュール | 会場入りから完全撤収までのスケジュール |
当日プログラム | 当日行われる催しの一覧表 |
施設利用計画 | 各施設・部屋の用途が一覧できる図 (例 「第2会議室:ゲスト控室」など) |
香盤表 | ゲスト・登壇者の会場到着から、完全撤収までのスケジュール |
無線系統 | 進行用・運営用・本部用など複数の無線系統を扱うイベントで、各担当者が使用している無線の系統が一覧できる図 |
誘導・場内整理 | 案内人員や場内整理人員の配置などを一覧できる図 |
2.各種対応
緊急時/トラブル対応 | 想定トラブルに対する対応の手順を記載した資料(現場スタッフで対応するケースや責任へ引き継ぐケースなど) |
---|---|
拾得物の取り扱い | 開催中の預かり場所、開催終了後の対応など |
迷子の取り扱い | 預かり場所に加え、参加者へ迷子情報を知らせるためのインフォメーション手順 |
3.その他
スタッフインフォメーション | 当日の身だしなみ・行動上の注意点・パスの色分け等、スタッフに伝えるべき注意事項 |
---|---|
各種アクセス | 最寄り駅・最寄りIC・最寄り空港から会場までの交通手段などを一覧できる資料 |
サイン計画 | 会場内外に掲示する場所案内(会場入口、お手洗いの場所を示す矢印など)の配置図 |
備品リスト | 会場で使う備品のうち、「自社から持ち込んだ備品」のリスト |
返却物リスト | 会場で使う備品のうち、「レンタル品など返却が必要な備品」のリスト |
ごみの取り扱い | ごみ箱などからまとめたごみの集積場所に加え、終了後の処理は会場に任せるか、自社へ持ち帰るのか、持ち帰った後の保存場所といった情報 |
車両関係情報 | 搬入出に使う車両の車種やサイズ、会場からの到着・出発時間、ドライバー担当者などの情報 |
データ報告シート | 来場者数や物販の販売数などの速報を求められているイベントで、数値を書き込んで集計や報告に使うためのシート |
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